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頭のいい人が話す前に考えていること

本日は頭のいい人が話す前に考えていることを紹介します

書籍

オーディブル版
kindle版
単行本(ソフトカバー)

この本を読むと「話し方で悩むこと」がなくなり「人間関係の摩擦が最小限に」なります

著者はコンサルティング会社で働いていたそうです。

コンサルティング会社といえば、会社にいって「問題」を洗い出し「今後こうしていきましょう」と経営方針を立てる会社のお医者さんにも例えられます。

たとえばあなたが新卒一年目。アサインされた会社の社長はハーバード大学で経営学の博士号をとった天才で、その道一筋30年、会社が潰れるリスクも一身に背負い会社経営に全身全霊を捧げ二十四時間365日会社について考えている、そんな歴戦の猛者に的確なアドバイスをしろ、できますか?著者はそんな天才たちと渡り合いそれを生業にしてきた人です。そんな中で頭がいい人とそうでない方をつぶさに見てきた著者が再現性のある「頭のいい人の考え方」を伝授してくれたのがこの本です。

タイトルにもありますがそもそも「頭のいい人」ってどんな人でしょうか?

学歴がいいことでしょうか、それとも社会的地位がある人でしょうか?

結論コミュ力がある人だと著者は言っています。

と聞くと「私マツコさんみたいに喋れません!」安心してくださいしゃべり上手くなくていいんです。エンタメ性のあるトークできなくていいんです。

むしろ喋ることよりも「聞く」ということに重きを置いています

この本では「黙る。聞く。」ということが切々と説かれています。

先ほどの頭のいい人の定義は?という答えがまだですね。こんな人がいたらどうでしょうか。

「私、頭いいんです!」と言っている人がいたらどうでしょう。あなたは決して「頭がいい人なんだな」とは思わないはずです。

そうなんです。頭がいいと判断するのは自分じゃないんです他者なんです。

頭がいい=コミュ力、コミュ力=聞く力。

つまり聞く力があれば相手に「こいつ、頭いいな」と思ってもらえるんです。

頭いいなと思ってもらうと仕事が進めやすくなります。

頭いいなと羨望の眼差しで見られたいですよね、仕事を思い通りに進めたいですよね。

このコミュ力を上げるために3ステップ用意しました。

①「感情」を捨てよ

②「承認欲求」を捨てよ

③とにかく黙る。ちゃんと聞く。

感情を捨てよ

こんな場面を想像してください今日は会社の全社ミーティング。社長、役員、部長、新人一同を介してミーティングがあります。役員が新人の営業成績の悪さに詰めていました。あまりにも行き過ぎていてもはやハラスメントの域です。それを見た部長が声を荒げて「もうそれくらいでいいでしょう!」と役員を怒鳴りつけました。それを見ていた社長は役員もたしなめましたが、部長も結局左遷させてしまったそうです。「冷静さを失う人間だ、リーダーは任せられない」という理由です。

このように感情的になるメリットはない、と断言しています。

とはいえ人間だから感情はありますよね。著者は2つの対応策をあげています。

1つ目はとにかく黙るということを選択すること。反応しないということ。アンガーマネジメントで6秒待つというのはよく聞かれています。サセックス大学の心理学者スチュワートサザーランドは「いかりや恐怖など強い感情にとらわれると愚かな行動に走りやすい」と言っています。感情に支配されている時は誰でも頭が悪くなるということですね。そんな時に下す判断は間違っていると言えるでしょう。とにかく「黙る」コマンドを選択しましょう。

ノーベル経済学賞を受賞したダニエルカーネマンいわく人間の思考には「早い思考」「遅い思考」があると言っています。早い思考はいわゆる直感的な思考で、遅い思考は論理的な思考のことを指します。基本的に人間は早い思考が優位にあると言います。感情でものを言うことを避けるためにもとにかく黙るべきです。

そして2つ目はシミュレーションすることです。

ここで「わたしが怒鳴ったらどうなるかな?みんながドン引きしちゃうなあ」などと自分を客観的に考えるのはもちろんですが、この場面で言うと「役員が新人さんをなじることを辞めざるをえない環境を作るにはどうしたらよいか?」と考えるということでしょう。「役員の気をそらす方法はないかな、役員宛に電話が来ていると嘘をつくかな」「それとも新人さんを別室に移動させることはできないかな」などと戦略を考えるとよいでしょう。

「人と戦うな課題と戦え」ということですね。

承認欲求を捨てよ

昨今はアドラー心理学が台頭するように「ありのままの自分」だとか「自己肯定感・自分軸」が叫ばれている、そんなことは百も承知です。筆者はその承認欲求を「満たす側になろう」と言っています。

SNS という 承認欲求の権化 が世界一か 総額 トップ10入りをするように、人間は多かれ少なかれ承認欲求によって突き動かされています。誰もが認められたい賞賛されたいと思っています。

裏返すと他人の承認欲求を満たすことができればコミュニケーションの強者になることが可能だということです。

このコミュニケーションの強者になるために2つの条件があげられています

①自信を持つ

自尊心が低く自分に自信がない人は他者をうまく承認することができません。自尊心とは自分で自分を尊重し受け入れる態度のことです自尊心が低いと自分で自分を肯定できないため他者の承認が必要になります。「最近こんないいことがあってね」と話したら「いや最近わたしもさ〜」と会話泥棒された経験がみなさんにもあるでしょう、会話泥棒も自分に自信がない証です。

②結果で自分の有能さを示せ

他者は褒めつつ「自分は何でもない人間です」という顔をするのがコミュニケーション強者の態度であり知的で慕われる人の態度です。

ここまでのおさらいを兼ねてひとつクイズをしてみましょう。

あなたが友人と買い物に行って「どっちの服がいいと思う?」と青の服と白の服どちらがいいか聞かれました。あなたなら何と答えますか?答えを4つ挙げてみますね。

1「わたしお金ないのに!お金持ちアピールなの!?」

2「あなたはイエベだから青は似合わないし、白にしなよ」

3「どっちも似合う!」

4「それぞれどこがいいと思ってるの?」

1から順に見ていきましょう。

1と2はダメなことはご理解いただけると思うんですが、何がダメかまでわかりますか?

1はもう感情に任せて答えていますね。感情を捨てられてないので間違いです。

2は「私は知識があるんですよ!」といわんばかりですね。承認欲求を捨てられていないので間違いです。

3はけっこう言いますよね。相手の気持ちに寄り添っています。ただ、相手の問題解決にはなっていません。

4この本ではこの答えを推奨しています。

会話の続きを見てみましょう。

「青はデザインが好き、白は今度旅行に行く時に合わせやすいかなって」

「率直に言ってどっちがいいと思ってる?」

「青」

「青も旅行で合わせやすいと思うよ」

「じゃあ青にする」

著者は「会話は交通整理しよう、答えは相手の中にある。背中を押すだけでいい。」と言っています。

学校では「質問に質問で返すな」などと言われましたが、質問していいんです。ガンガン質問して、相手の考えのまとめ役になりましょう。

カウンセラーになったつもりで「そうなんですね〜」「なるほど〜」と、とにかく黙って聞くことに徹しましょう。その際に「良い・悪いの判断もしないように」とも言われています。人間どうしても顔に出てしまうからです。

③とにかく黙る。ちゃんと聞く。

あなたは人生で「ちゃんと聞いて?」と怒られたこと、あるいはそのような場面をみたことはありませんか?小学生のとき手遊びして授業をまったく聞いていない奴がいたなあと思いを馳せるでしょう。

ここでは著者は態度としては聞いているにもかかわらず「話が聞けない人がいる」と警告しています。

著者の会社ではこんなことがあったそうです

「中小企業は財務体質が強くない。いきなり高額なコンサルティングを契約することができない。よって中小の新規顧客に「コンサル」を最初に売り込むことは難しい。でもそういうときは「入口商材」として研修が有効だと分かってきた。だから今後研修事業に力を入れる」と説明すると

「研修に力を入れると言うことはコンサルティングはもうやらないのでしょうか?」

と聞いてきた人がいるそうです。

理解とは「まとめると〜」「一言で言うと〜」と要約できることです。頭の中で要約できるレベルに持っていくことが「聞く」ということです。

話の核心を理解し、まとめられるレベルまで傾聴しましょう。

この本では何があっても相手を聞くように、と言われています。

「アドバイスを求められても、質問されても相手に聞く」という例を挙げます。

この本で頭脳明晰な A さんの例が取り上げられています。

マーケティングに極めて明るく本も執筆し講演はいつも満席になるような方、社内の人からも クライアントから慕われているスーパースターです。

ある日、Aさんに相談が寄せられます。

「広告を打ったけど反響がなくて困っている」

A さんは一体なにをしたでしょうか?マーケティングの知恵を授けたでしょうか?

「広告の表現をこう変えましょう!」とアドバイスしたでしょうか?

結論:相手の話を整理するだけでした。会話の一部始終を見てみましょう。

A さんのお話を聞きまして 是非一度ご相談したかったです

ありがとうございます

新商品が先月出まして広告を打ったんですけど全然反響がないんですかなり練ったんです

なるほどここに書いてある3つの特徴という部分はやっぱり新商品の売りなんでしょうか

そうなんです何か気になる点はありましたか

いえいえ。差し支えなければ逆に皆さんが今回何が原因だとお考えですか

はい差別化の失敗です

どこが競合他社と違うのですか

圧倒的品質のところです

具体的に品質の何が違うんでしょうか

ちょっとわかんないですね担当者呼んできます

担当者が呼ばれるのですが担当者も

もう少し詳しく説明してもらっていいですか

この表現じゃ分かりにくかったですね

ちょっと気になっただけです

おいおいやっぱりこの説明分かりにくいぞ

そうですね

そうですねもう少し丁寧でもいいかもしれません

このようにマーケティングの天才でもとにかく聞くだけで問題を解決まで導いてしまいます。

しかもその後 A さんは 知的で信頼できる人だという感謝のメールまで届いたそうです。

Aさんはマーケティングに明るいので問題の広告を見ただけでどこが問題か即座に分かったはずです。それでも知識披露して「聞く」ことに徹し、「気づかせる」という手法を取ります。頭の良い人は決してアドバイスしません。徹頭徹尾「交通整理」しかしていないんです。

確かにAさんは話を聞くこともなくアドバイスすることもできたでしょう。しかしその場合問題の解決をしても感謝のメールまではとどかなかったのではないかと思います。

この本では「意見を求められた時も黙る、聞く」と言っています。

まとめ

感情を捨てる

感情的になって話すことは科学的にも「バカになる」ことが証明されている。黙ってシミュレーションして、冷静で論理的になろう。

承認欲求を捨てる

承認欲求が席巻しているこの時代だからこそ承認欲求を認める側に回ろう、そのため仕事で結果を出すなどし、自分に自信を持ち自分の承認欲求は自分で満たせるようになろう。

黙って聞く

自分がその道のプロフェッショナルだとしても絶対に相手にアドバイスはしない。徹頭徹尾黙って相手の話を聞き、交通整理し、相手に「気づき」を与える。

十分先生的考察

わたしが「この人頭いいな」と思ったことがあります。池袋のゲーセンの店員さんです。

ある日友人とプリクラを撮ろうとした時に

「久しぶりにプリクラ撮るからどの機械がいいかわからんね、店員さんに聞こう」

と店員さんに質問しました。

店員さんは「最新の機種は〜」とか「人気の機種は〜」とか教えてくれたでしょうか?

結論「どんな撮影の仕方を求めてますか?」と聞いてくれたんですね。

「今日は双子コーデだから全身が映る機会がいいです!」

というと「ではあちらですね、全身映ります。足も長くしてくれますよ!」と。

ただ単に教わるよりも満足度がものすごく高かったですし、また遊びに行きたい!と思います。

やっぱり「あたまのいい人間は聞く」ことに徹しているんですね!

以上です